とわ婚

NEWS

人生を彩る“今”をお届けします。

BLOG

熟年離婚が増えている?データから見る本当の理由と、これからの人生の選択

年度末に増える離婚届、その背景にあるもの

年が明けて新しい気持ちで迎える1月。そして年度が変わる3月。実はこの時期、全国の役所には離婚届を出すカップルが増えるのをご存じでしょうか。統計によれば、3月は年間を通して最も離婚届が多い月で、全体の約12%を占めているそうです。12月や1月も多く、それぞれ9%前後。つまり、年末年始から年度替わりにかけて、人生の区切りをつける決断をする夫婦が多いということなんですね。

私の友人も、子どもの卒業を機に離婚を決めたと話していました。「新しい環境になるタイミングで、私も新しいスタートを切りたかった」と。彼女の言葉には、長年我慢してきた思いと、これからの人生への希望が混ざっているように感じました。

「熟年離婚」は本当に増えているのか

ニュースでよく耳にする「熟年離婚の増加」。確かに、同居期間20年以上の夫婦による離婚は、離婚全体に占める割合が2020年に過去最多の21.5%に達しました。5組に1組以上が熟年離婚という計算になります。

でも、ちょっと待ってください。実は離婚の総数自体は、2002年の約29万組をピークに減少傾向にあるんです。熟年離婚の件数も、2002〜2003年頃の4.5万件をピークに、その後は4万件前後でほぼ横ばいで推移しています。

じゃあ、なぜ「熟年離婚が増えている」と言われるのでしょうか。

答えは簡単です。若い世代の結婚そのものが減っているから。結婚する人が少なければ、当然離婚する人も減ります。離婚が最も多いのは結婚後5年未満のカップルなので、若い世代の結婚が減ると、この層の離婚も減る。結果として、全体の離婚に占める熟年離婚の「割合」が増えて見えるというわけです。

本当に注目すべきは「高齢離婚」の増加

ただし、データをもう少し詳しく見ると、興味深い事実が浮かび上がってきます。同居期間35年以上の離婚は、件数としても確実に増えているのです。

仮に30歳で結婚したとして、35年後なら65歳。つまり、定年を迎え、老後の生活が見えてきた段階での離婚ということになります。

これも単純に「離婚が増えた」とは言い切れない部分があります。かつては65歳以上の夫婦であれば、離婚を考える前にどちらか(多くは夫)が亡くなっていたという現実がありました。平均寿命が延びた現代では、65歳からでもまだ20年、30年と人生が続く可能性が高い。その長い時間を、合わないパートナーと過ごし続けるのか、それとも別々の道を歩むのか。選択の余地が生まれたということなんですね。

離婚を決意するのは、圧倒的に妻から

2024年の司法統計年報を見ると、家庭裁判所に持ち込まれた離婚事件のうち、婚姻期間20年以上のケースが全体の26%を占めています。そして注目すべきは、申し立ての内訳です。

妻側からの申し立ては2万3386件。対して夫側からは1万2334件。なんと妻からの申し立ては夫の約2倍なんです。

さらに、別居中の生活費や子どもの養育費を含む「婚姻費用」の分担を求める申し立てを見ると、その差はもっと顕著です。妻側が1万8888件に対して、夫側はその10分の1程度。これは、依然として妻側が経済的に弱い立場に置かれている現実を如実に示しています。

離婚したくても経済的な不安から踏み切れない。そんな女性たちの葛藤が、この数字の裏側には隠れているのかもしれません。

夫と妻、離婚の理由はこんなに違う

離婚の理由も、男女で大きく異なります。

妻側の申し立て理由で最も多いのは「性格が合わない」で1万6503件。これは夫側(9233件)も同じです。でも、妻側の2位以降を見ると、様相が変わってきます。

「生活費を渡さない」が1万2461件、「精神的に虐待する」が1万1288件と続くのです。一方、夫側の2位は「精神的に虐待する」3358件、3位は「異性関係」1820件。

この違い、皆さんはどう感じますか?

妻たちは、経済的な問題や精神的な苦痛に耐えながら婚姻生活を続けてきた。それが20年、30年と積み重なって、ついに限界を迎えるという構図が見えてきます。

弁護士のもとには「夫が死ぬまで待てない」「夫の妻として死にたくない」という中高年女性からの相談が相次いでいるそうです。この言葉の重さ、痛切さ。どれだけの我慢と諦めの日々があったのだろうと、胸が締め付けられる思いがします。

人生100年時代、離婚は「失敗」ではない

考えてみれば、人生が長くなれば離婚が増えるのは自然なことかもしれません。

昔は60代、70代といえば余生でしたが、今は「まだまだこれから」という年齢です。医療の発達で健康寿命も延び、65歳でも70歳でも、仕事や趣味、社会活動に積極的に参加している人がたくさんいます。

そんな時代に、残りの人生をずっと我慢して過ごすのか。それとも、自分らしい生き方を選び直すのか。選択肢が増えたことは、決して悪いことではないと思うんです。

実際、50歳以上でもう一度出会いを探し、再婚したいと望む人も増えています。婚活サービスでも、中高年向けのプランが充実してきました。離婚は終わりではなく、新しい始まりでもあるのです。

子育てが終わったら、自分の人生を生きていい

「子どものために」と、不幸な結婚生活を続けてきた方も多いでしょう。でも、子どもが成人したら、親も自分の人生を探してもいいのではないでしょうか。

もちろん、結婚生活を継続できればそれに越したことはありません。でも、「永遠」を誓ったからといって、本当に永遠に続けなければならないというのは、あまりにも重い縛りです。人は変わります。環境も変わります。20年、30年も経てば、お互いがまったく別の人間になっていても不思議ではありません。

大切なのは、形式的に結婚を続けることよりも、それぞれが幸せであることではないでしょうか。

次の結婚が幸せであればいい

離婚を経験した人たちと話していて感じるのは、皆さん前を向いているということです。

「今度は自分の目で相手を選びたい」「同じ失敗は繰り返さない」「一人で生きていく覚悟もできた」

そんな言葉を聞くと、離婚は決して敗北ではなく、自分の人生を取り戻す勇気ある一歩なのだと思えてきます。

以前の結婚で学んだことを活かして、次の出会いや再婚が幸せなものになれば、それでいい。一人で自由に生きることを選んでも、それはそれで素晴らしい。友人関係や趣味の仲間と充実した日々を送るのも、立派な人生の選択肢です。

データの裏側にある、一人ひとりの物語

統計や数字を見ていると、どうしても冷たく客観的な印象を受けます。でも、その一つひとつの数字の裏には、悩み、葛藤し、勇気を出して決断した人たちの物語があるんですよね。

年末年始や年度末に離婚届を出すのは、単なるタイミングの問題だけではないでしょう。新しい年、新しい年度という節目に、人生をリセットしたい。そんな思いが込められているのかもしれません。

熟年離婚が増えているように見えるのは、実は社会全体の変化の反映です。結婚する人が減り、寿命が延び、女性の社会進出が進み(まだ十分ではありませんが)、価値観が多様化している。その中で、自分らしい生き方を選ぶ人が増えているということなのだと思います。

これからの時代の「夫婦のかたち」

もちろん、離婚を推奨しているわけではありません。長年連れ添った夫婦が、お互いを尊重し合い、支え合って老後を過ごせるなら、それは本当に素晴らしいことです。

でも、もし今の結婚生活に我慢や苦痛しかないのなら。自分を犠牲にし続けることが美徳だと思い込んでいるのなら。もう一度、立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。

人生100年時代。60歳でも70歳でも、まだまだ人生は続きます。残された時間を、本当に大切な人と、本当に好きなことをして過ごす。そんな選択肢があってもいいはずです。

そして社会も、離婚を「失敗」や「恥」として見るのではなく、人生の選択の一つとして受け入れる寛容さを持つべきだと思います。経済的に自立できる環境を整えること、年齢を重ねた人たちの新しい出会いを応援すること、一人でも豊かに暮らせる社会を作ること。そういった支援体制が必要です。

統計の数字は、時代の変化を映し出す鏡です。熟年離婚の増加(正確には割合の増加)は、私たちに何かを問いかけているのかもしれません。形だけの結婚を続けることと、本当の幸せと。どちらを選びますか、と。

あなたなら、どう答えますか?