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高齢男性は孤立しやすい?定年後の孤独を防ぐために今できること
はじめに:見過ごされがちな男性の孤立問題
男性・女性とも、年齢を重ねてからの孤立は避けたいところです。しかし、実は男性のほうが孤立しやすいという事実をご存知でしょうか。
「仕事をしているから孤立していない」と思われがちな男性ですが、これは大きな誤解です。会社の仲間と毎日顔を合わせていても、それはあくまで仕事上の関係。退職すれば、その関係性は途切れてしまうケースが少なくありません。
私自身、女性として転職を繰り返してきた経験があります。振り返ってみると、勤めていた会社で知り合った方々との関係も、退職してしまえば自然と疎遠になることが多かったです。職場での交流は、想像以上に「その場限り」のものなのですね。
だからこそ、定年を迎えた男性が突然孤立状態に陥るリスクは、私たちが思っている以上に高いのです。
意外な事実:孤独への耐性が高いのは女性
一般的に、孤独に強いのは男性だというイメージがあります。しかし、実際には真逆で、女性のほうが孤独への耐性が高いことが知られています。
女性が孤独に強い理由
配偶者を亡くした後の立ち直りの早さを見ても、女性のほうが回復力があると言われています。これには明確な理由があります。
女性は会話する能力が高く、いわゆる雑談を楽しむことが得意です。天気の話から始まり、最近の出来事、テレビで見た話題まで、特に目的のない会話でも自然に盛り上がることができます。
一方、男性は一般的に口数が多くありません。会話には「目的」や「結論」を求める傾向があり、雑談そのものを楽しむことが苦手な方が多いのです。
定年退職後に訪れる孤独の現実

中年男性が自分の孤独耐性の低さに気づかないのは、仕事をしている間は日常業務として会話の機会があるためです。毎日の打ち合わせ、報告、相談、世間話。これらは意識していなくても、人との繋がりを保つ重要な役割を果たしています。
しかし、定年退職した途端、状況は一変します。外部の誰とも会話をしない日々に直面し、孤立感を強く感じるようになります。この変化に適応できず、鬱状態になってしまう男性も少なくないのです。
これは決して大げさな話ではありません。長年築いてきた社会的な繋がりが一気に失われることで、精神的なバランスを崩してしまうケースは実際に多く報告されています。
我が家の夫の取り組み:孤立を防ぐ準備
ちなみに、私の夫は男性なのにお話が好きなタイプです。この点では、典型的な男性とは少し異なるかもしれません。
そして興味深いのは、夫がいまから将来困らないように、仕事以外での人間関係づくりに積極的に取り組んでいることです。
具体的な準備内容
もちろん仕事はできるだけ長く続けるつもりのようですが、それと並行して「気軽に誘える飲み友達を作っておく」と宣言しています。
これは非常に賢明な判断だと思います。趣味の集まり、地域のコミュニティ、昔の友人との関係維持など、仕事とは無関係な人間関係を今のうちから育てておくことで、退職後の孤立リスクを大幅に減らすことができるからです。
人間関係は生きるために必要不可欠
人間が健康的に生きるためには、人との交流が少なからず必要です。これは心理学的にも証明されている事実です。
社会的な繋がりを持つことで、私たちは:
- 精神的な安定を得られる
- 生きがいや目的意識を持ち続けられる
- 認知機能の低下を防げる
- 身体的な健康も維持しやすくなる
逆に、社会的孤立は、喫煙や肥満に匹敵するほど健康に悪影響を及ぼすという研究結果もあります。
今日からできる孤立予防策
結婚していてもしていなくても、孤立を避けるために多少の人間交流は意識的に保つ必要があります。特に男性の方は、以下のような取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
仕事以外の繋がりを作る
- 趣味のサークルや習い事に参加する
- 地域のボランティア活動に関わる
- 同窓会や昔の友人との連絡を再開する
- オンラインコミュニティに参加する
会話力を磨く
- 雑談の重要性を認識する
- 相手の話に興味を持って聞く練習をする
- 自分の経験や考えを言葉にする習慣をつける
夫婦間のコミュニケーションを見直す
配偶者がいる場合、その関係性も重要です。退職後に夫婦で過ごす時間が増えることを見越して、今からコミュニケーションの質を高めておくことも大切でしょう。
まとめ:孤立は予防できる
高齢期の孤立は、特に男性にとって深刻な問題です。しかし、これは避けられない運命ではありません。
今から意識的に仕事以外の人間関係を築き、会話を楽しむ習慣を身につけることで、定年後も充実した社会生活を送ることができます。
大切なのは、「いつか考えよう」ではなく、「今から始める」という姿勢です。人間関係は一朝一夕には築けません。時間をかけて育てていくものだからこそ、早めの準備が重要なのです。
あなた自身、またはあなたの大切な人が、将来孤立することなく、豊かな人間関係に囲まれた生活を送れるよう、今日から小さな一歩を踏み出してみませんか。